日本看護協会の調査では、2010年度に1ヵ月以上病気で休んだ看護師のうち、メンタルヘルスの不調者は約2,700人に上り、長期休暇取得者の約36%を占めたと言います。看護師は、上司や同僚、患者との人間関係などによりストレスが溜まりやすく、夜勤や日勤などの勤務体制により休養が十分に取れないという特徴があります。
そのため、ストレスがキャパシティをオーバーすると、抑うつ状態やイライラ、集中できないなどの心理面や、不眠や疲労感、肩こりなどの身体面に影響を及ぼし、欠勤や遅刻の増加をはじめ、仕事上のミスなどの行動面が目立つようになるそうです。そして、これらは自分だけでなく、周囲にも悪影響を及ぼすため、早期発見と早期治療が重要になります。
そこで、ストレスが溜まってきたと感じたら、まずは自分でセルフケアを行うことがポイントになります。厚生労働省では「5分でできる職場のストレス・セルフチェック」というチェックリストを公開しており、自分のストレスの程度を知ることができるのでおすすめします。
そして、悩みがあれば、同僚や友人など周囲の人に話をしてみましょう。たとえその場で解決できなくても、話を聞いてもらうだけで随分心はスッキリします。また、旅行や趣味などによりストレスを発散させるとリフレッシュできるでしょう。さらに、十分な休養を取ることも大切です。睡眠前にはテレビやパソコン、スマホなど光を発するものを見るのを避け、部屋を暗くしてしっかり休んだり、好きな音楽を聴いたり、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かるなどすれば、リラックスできるのではないでしょうか。特に音楽療法は、多くの研究結果で不安やストレスを軽減させることがわかっています。